先日、私たち夫婦と親しい友人夫婦の4人で、広島の宮島を訪れました。
宮島といえばフェリーで渡って日帰り観光をする方が多いかもしれませんが、今回私たちが選んだのは「宮島に宿泊する」プラン。実は、多くの人が本州へ戻った後の「夜」と、フェリーが動き出す前の「朝」にこそ、この場所の真の魅力が隠されています。
夕方、最終便のフェリーが出発すると、日中の賑わいが嘘のように島全体が静寂に包まれます。ここからが宿泊者だけが味わえる時間の始まりです。
宿で瀬戸内の海の幸と広島のお酒を堪能した後、4人で夜の散歩に出かけました。 暗闇の海に浮かび上がるようにライトアップされた大鳥居は、本物だけが持つ圧倒的な存在感と奥行きを感じさせます。波の音という自然の音響効果だけが静かに響く中、光に照らされた厳島神社は、昼間とは全く異なる神秘的な空間へと変貌していました。
「こんなに静かな宮島は初めて」と友人夫婦も感嘆の声を漏らしていました。夜の海風を感じながら、4人で静かに言葉を交わしながら歩く時間は、大人ならではの贅沢なひとときでした。
翌朝は少し早起きをして、朝食前に再び外へ。
空気が凛と冷たく、深呼吸するだけで感覚が研ぎ澄まされるようです。朝もやの中を歩く鹿たちの姿も、どこか神々しく風景に溶け込んでいました。
この時間帯の最大の魅力は、人がいない状態で厳島神社の建築美を堪能できること。日中は参拝客で溢れる回廊も、朝一番なら貸し切り状態です。朱色の柱の連続性や、その隙間から差し込む柔らかな朝陽の陰影が本当に美しく、その空間の広がりにただただ見入ってしまいました。
その後は宿に戻り、充実した朝食を。朝の澄んだ空気を味わった後の食事は、最高の1日のスタートを約束してくれます。
気心の知れた友人夫婦と訪れた宮島。美味しい食事を共にし、夜の静寂と朝の清々しい空気を共有できたことで、旅の記憶がより一層深いものになりました。
宮島は日帰りでも十分に楽しい場所ですが、「夜の深い静けさ」と「朝の光が織りなす空間美」は、泊まった人にしか味わえない特別な体験です。これから宮島旅行を計画されている方は、ぜひ島内に一泊して、時間と共に表情を変える宮島の空間をゆっくりと堪能してみてください。




